認定看護師コラム
臓器移植について
救急看護認定看護師 西谷 佳功
臓器移植の最近の話題といえば、グリーンリボンデーです。毎年10月に各地の観光名所などが緑色にライトアップされています。今年も多くの観光名所が緑色にライトアップされ、ニュースに取り上げられました。
皆さんは、臓器移植についてどのように考えていますか?「ぜひ協力したい」「協力したくない」「臓器移植ってなにか分からない」など意見はさまざまだと思います。私も臓器移植については、勉強するまでほとんど関心がありませんでした。臓器移植についての知識を得る機会によって、意識は少し変化しました。そこで、今回は臓器移植についての話を少しさせて頂きたいと思います。皆さんに臓器移植医療について興味や関心を持って頂ける機会になれば幸いです。
臓器移植とは、重度の病気や事故などにより臓器の機能が低下した方に、他の方の臓器と取り替えて機能を回復させる医療のことです。たとえば、腎不全で透析治療が必要な方に、他人の腎臓を摘出して機能が低下している腎臓と取り替え、腎臓の機能を回復させるということです。
日本臓器移植ネットワークによると、日本で臓器の移植を希望して待機している方は、およそ14,000人とされているようです。それに対して移植を受けられる方は、年間およそ400人とされています。待機されている人の2%です。この数が多いと感じる方もいれば、少ないと感じる方もいると思います。皆さんはどう感じますか。
さて、ご存じの方も多くいらっしゃるかと思いますが臓器提供は脳死後あるいは心臓が停止した死後に可能となります。脳死については、少し複雑な説明が必要なため、今回は省略させて頂きます。
脳死後と心臓が停止した死後の違いの1つとしては、脳死後に提供できる臓器と心臓が停止した死後に提供できる臓器が異なるという点です。脳死後に提供できる臓器は、心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球の7つです。心臓が停止した死後に提供できる臓器は、腎臓・膵臓・眼球の3つです。
今回は、臓器移植についてお話させて頂きました。次回は、続編として臓器提供の意思表示について紹介致します。