薬局だより
ピロリ菌の除菌に使用する薬剤について
薬局 薬剤師 佐藤 賢志
今回は胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がんなどの発症と関係しているピロリ菌感染症と除菌に使用する薬剤についてお話しします。
ピロリ菌とは?
ピロリ菌の正式名称はヘリコバクターピロリといいます。通常、胃酸が分泌されている胃の中では細菌は殺菌されてしまいます。しかし、ヘリコバクターピロリは尿素からアンモニアを作り出すことで自身の周りにある胃酸を和らげることが出来るため、胃の中でも生育することができます。感染経路は口-口感染や糞-口感染と考えられており、多くが小児期に起こるといわれています。
ピロリ菌の除菌に使用する薬剤
ピロリ菌の除菌では、一次除菌と二次除菌があり、一次除菌では胃酸の分泌を強力に抑える「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」と2種類の抗生物質(アモキシシリン・クラリスロマイシン)という3種類の薬剤を1週間使用します。一次除菌が失敗した場合はクラリスロマイシンという薬剤をメトロニダゾールという薬剤に変更し再度除菌を行います。(二次除菌)
除菌治療薬の副作用
副作用症状で多く見られるものは下痢や軟便です。その他にも過敏症(発疹など)、味覚異常、腹部の不快感などが現れることがあります。
除菌治療中に体調が普段と違うと感じた場合は自分の判断で薬の中止や我慢などをせず速やかに受診し主治医に相談しましょう。