認定看護師コラム
夏に注意したい感染症
感染管理認定看護師 熊谷 亜希
1年も早いもので半年が経ち、梅雨が明けると暑い夏の季節がやってきます。夏といえば海やプールを想像しますが「プール」とついた感染症がありますので、ご紹介します。
これからの季節で注意が必要な感染症の1つとして、「咽頭結膜熱」があります。別名「プール熱」とも呼ばれており、塩素消毒が不十分なプールに入る事で感染が拡がると言われている事からそのような名前が付いたとされています。
流行は6月頃から始まり7~8月にピークを迎えます。しっかりと塩素消毒が行われているプールの水からの感染はほとんどないと言われていますが、感染している人がドアノブや階段の手すりなど不特定多数の人が触れる場所を触ったり、タオルやハンカチを共有する事で感染は拡がっていきます。主に10歳以下の小児が感染する事が多いですが、小児から大人へ感染する場合もあるため注意が必要です。
主な症状は39度前後の高熱・のどの痛み・目の充血などで、目の症状としては他に、目やにや涙が多くなったり眩しがったりする事もあります。小児の場合は法律により出校停止期間もありますので、専門の医療機関を受診頂きご相談ください。
予防としては、①目をこすらない ②タオルやハンカチは共有しない ③目やになどはティッシュ等使い捨てのもので拭きとりすぐに捨てる ④石鹸と流水による手洗いとうがいを行う ⑤咳などの症状がある場合はマスクを装着する ⑥お風呂はシャワーのみとし最後に入浴する、などが挙げられます。症状が落ち着いても、のどからは約2週間、便からは約1か月ウイルスが排出されることがありますが、石鹸と流水による手洗いをしっかり行うことで予防することができますので、日ごろから手洗いを行い感染症にかからないように元気に夏を楽しみましょう。