ワンポイントリハビリ
高齢者の食事 低栄養と脱水症状
言語療法室 言語聴覚士 大和田 彩香
胃や腸などの消化機能の低下、噛む力の衰えなど加齢による機能低下により食事が上手くできなくなり、食生活にも影響が出る可能性があります。食事の量が減ることで栄養不足に陥ってしまい、慢性的に体の栄養が足りなくなると、低栄養・脱水症状を招く危険性があります。
低栄養
低栄養とは、食欲の低下や食事が食べにくくなったなど様々な理由から徐々に食事量が減り、健康な体を保ち日常生活を送るのに必要なエネルギーとタンパク質が不足した状態の事です。
低栄養3つの要因
⇒低栄養になると、気力や体力が落ちてしまい昼間も寝て過ごしがちになり、お腹も空かず食事からの水分摂取も限られてしまいます。また、加齢により暑さや寒さを感じる能力・のどの渇きを感じる能力等も低下するため、意識的に水分を補給し脱水症状を防ぐことが大事になります。
こんな症状には注意!
低栄養
□食事量が減ってきた
□肉や魚を食べなくなった
□BMI(※)が20以下
□過去3カ月で体重が減ってきた
□起きることや立ち上がることもつらい
水分不足
□トイレに行く回数が減っている
□食欲が出ない
□なんとなく元気が出ない
□昼間寝てばかりいる
□暑いのに汗をかかない
(※)BMI:体重(kg)÷身長(m)という数式で算出される体格指数のこと
予防・対策!
低栄養を防ぐには、さまざまな食品をバランスよく食べることが大切です。肉や魚、野菜、穀物などを本人に合わせ食事の時間を変えてみる・食事回数を5~6回に分けてみる・味付けを変えてみる・食べやすいような食材を細かく刻んだりすりつぶして形態に気を付けてみるなどの工夫をしましょう。そして、おいしく食べて食事の時間を楽しむようにしましょう。