薬剤科だより
インフルエンザについて
薬剤科 薬剤師 緑山 莉枝
本格的な寒さが訪れ、インフルエンザが蔓延する時期となりました。予防としては流行期に人混みを避けること、外出の際にはマスクを着用すること、外出後のうがいや手洗いを励行すること、ワクチン接種を行うことなどがあります。今回はインフルエンザのワクチンと治療についてお話しします。
インフルエンザワクチンについて
ワクチンには生きたウイルスや細菌を、症状が出ないように弱毒化した製剤を使用する「生ワクチン」と、ウイルスや細菌を病原性のない製剤に加工した「不活化ワクチン」があり、インフルエンザワクチンは不活化ワクチンになります。65歳以上の方、あるいは60?64歳で基礎疾患のある方は予防接種法で定期接種の対象となっています。
インフルエンザの治療薬について
①内服薬
タミフル | 1日2回、5日間内服します。 |
ゾフルーザ | 1回20mgを2錠服用します。体重によって投与量が異なります。 |
②吸入薬
イナビル | 長期間作用するため、1回吸入します。 |
リレンザ | 1日2回、5日間吸入します。 |
③点滴薬
ラピアクタ | 1回300mgを点滴します。特に重症で内服や吸入ができない患者さんに使用します。 |
最後に
新型コロナウイルスの蔓延により手洗い・うがい・マスクが推奨されるようになりインフルエンザの患者が激減しましたが、高齢の方の一部はインフルエンザにかかると重篤化して最悪死に至ることもあります。手指消毒などの対策だけでなくワクチンを接種することでさらに予防していきましょう。