ワンポイントリハビリ
COPDの生活指導について
リハビリテーション科 理学療法士 小原 陽子
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは…?
有害な粒子やガスの吸入(たばこの煙・大気汚染)によって生じた肺や気管支の炎症が原因で、空気の通り道が狭くなり息が吐きづらくなる病気です。歩行や階段昇降など身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や、慢性の咳・痰が特徴的な症状です。では、日常生活の中で息切れを少なくするにはどうしたら良いでしょうか?
1.まずは息切れしやすい動作を知りましょう
一般的にCOPDの方は下記のような動作によって息苦しくなったり、低酸素の状態になったり、脈が速くなったりすることが多いようです。
腕を上げる動作
例)洗髪・上着の着脱
呼吸に関わる胸郭の動きが制限されるため
腹部が圧迫される動作
例)靴下やズボンをはく
呼吸に関わる横隔膜の動きが制限されるため
同じ動きを繰り返す動作
例)身体を洗う・掃除機をかける
力を入れ続けるため
動作に勢いがつきやすいため
息を止める動作
例)洗顔・排便・おしゃべり
息を止めると体内の換気が滞るため
2.息切れしやすい動作をする時のポイント
ポイント1:動作の開始に合わせて口すぼめ呼吸を取り入れること
ポイント2:動作は呼吸に合わせてゆっくりと
ポイント3:動作の途中で休憩を入れる
無理してすべての動作を行うと、息苦しさから回復するまでに時間がかかり、結果的に肺や心臓に負担がかかります。
ポイント4:続けて色々な動作を行わない
一つの動作が完了したら、一息ついてから次の動作にかかりましょう。
3.息切れが起きた時の対処方法(パニックコントロール)
日常生活の中で息苦しくなったら、落ち着いて楽な姿勢でゆっくりと「口すぼめ呼吸」を繰り返しましょう。
手を膝について上体を腕で支える
背中で壁に寄りかかる
※このような対処方法でも息切れが続く場合は主治医に相談しましょう