南東北看護師コラム
新型コロナウイルスについて
感染管理認定看護師 熊谷 亜希
新型コロナウイルスが東北で初めて確認されてから1年半が経過しました。全国の累計感染者は150万人、宮城県内は1万5000人を越えました(9月2日現在)。 マスクの着用・手指の消毒・「3密(密集・密接・密閉)」の回避・飲食店の時短営業・ワクチン接種など、さまざまな感染拡大防止策を行ってきましたが、感染力の強い変異株が次々と登場し猛威を振るっています。
ワクチン接種は進んでいますが、ファイザー社の新型コロナワクチンの場合、最も高い発症予防効果が得られるのは2回目を接種してから7日程度経ってからといわれています。ある程度の抗体が体の中にできるまで1~2週間程度かかるため、1回目の接種後から2週間程度はワクチンを受けていない方と同じくらいの頻度で発症してしまうことが報告されています。 また、臨床試験においてワクチンを2回接種した場合の有効率は約95%と報告されており、100%の発症予防効果が得られるわけではありません。
感染後の後遺症は、若い方でも数か月続く事があります。主な後遺症は息切れや疲れやすさ、集中力のなさ、味覚・嗅覚障害です。数か月経っても改善されず、後遺症の治療のために通院されている方もいます。国立国際医療研究センターの調査では退院2か月後で48%、4か月後で27%の方に何らかの後遺症を認めるとされています。 20歳代、30歳代の方では半数以上の方に後遺症が認められています。
新型コロナウイルスは人と人とが接触することから感染が拡がり、無症状の方からも感染が拡がっていくため、感染予防が非常に難しい病気です。個人で行う基本的な感染予防対策は、変異株であっても、ワクチンを接種した後でも、3密や特にリスクの高い「5つの場面(※)」の回避・マスクの正しい着用・手洗いなどが有効です。 皆さん自身を守るため、そして大切な人を守るため、引き続き感染予防対策の徹底にご協力をお願いします。
※感染リスクが高まる「5つの場面」
①飲酒を伴う懇親会等
②大人数や長時間におよぶ飲食
③マスクなしでの会話
④狭い空間での共同生活
⑤居場所の切り替わり