薬剤科だより
手洗いについて
薬剤科 薬剤師 妻神 菜奈子
多くの感染症や食中毒は、手を介した感染が原因となります。病原体が付着した手で料理や食事をしたり、目や鼻をこすることによって発症します。感染症・食中毒予防において手洗いはとても大切です。
間違った手洗いとは?
きちんと手洗いをしているつもりでも、予防対策として間違ったやり方をしている場合がよく見受けられます。せっかくの手洗いも感染の抜け道を作るばかりか、逆効果にもなりかねません。
×水やお湯でサッと流すだけの手洗い
×石けんを使っても数秒で流してしまう
×手のひらだけ念入りに洗う
石けん自体に消毒効果はありません。時間をかけて洗い残しのないよう丁寧に洗わないと効果は半減してしまいます。
×熱いお湯でゴシゴシ洗う
皮膚の油分が奪われて、手荒れの原因となります。荒れた皮膚は細菌が大変増殖しやすいことが分かっています。
×家族で共有のタオルを使う
湿ったタオルで増殖した細菌が、再び手に付着してしまいます。
正しい手洗いのコツ
流水と石けんを使い、しっかりと時間をかけて手洗いします。時間の目安は、「ハッピーバースデー」の歌を2回繰り返すぐらいの長さ(約20秒)です。洗い終わったら流水でしっかりすすぎ、清潔なタオルで充分にふき取ります。
こまめに手を洗いましょう
手洗いは帰宅時や食事前だけでなく、電車のつり革や共有のパソコン、職場の入り口やトイレの扉など不特定多数の人が触るようなものに触れた後にも可能な限り行うことが大切です。