ワンポイントリハビリ
高齢者の特徴 ~身体機能の低下や姿勢について~
リハビリテーション科 理学療法士 大宮 朋子
加齢に伴い、身体機能の低下や疾患による障害などで、日常生活に介護を必要とする高齢者の割合は高くなっています。そこで、加齢によりどのような現象が起こるのか、その特徴をご紹介します。
身体的特徴
① 病気にかかりやすくなる・・・糖尿病や高血圧、骨粗鬆症など
② 免疫力・病気に対する抵抗力の低下
③ 回復力の低下
④ 環境の変化や心理面に対する適応能力の低下
運動機能の低下
姿勢の特徴
腰が曲がり前かがみとなる円背という姿勢になります。円背の姿勢では顎を前に突き出し、股関節や膝を曲げた立位になります。バランスをとる為に手は後ろに回した方が楽、または膝に手を置くのが楽、というのが特徴です。
加齢に伴って骨が弱くなり、転倒をすると骨折に至る危険性が高くなります。また筋肉量の減少(サルコペニア)やバランス能力の低下が進むため転倒もしやすい状態となります。骨折は疼痛と歩行などの移動障害をもたらし、場合によっては寝たきりになるなど、生活に支障をきたします。
これらの加齢による変化は、食事や運動などの生活習慣や社会背景の影響により個人差が大きくなります。
ほとんどの高齢者には日常生活を行う為の十分な筋力があり、定期的な運動により筋力の低下をある程度抑え、その進行を遅らせることができます。いつまでも元気で活動的な暮らしが送れるよう、ご自身の健康づくりを見直してみてはいかがでしょうか。
次回は、高齢者の歩行の特徴について、ご紹介します。