ワンポイントリハビリ
慢性閉塞性肺疾患 ~患者さんへの運動のすすめ~
リハビリテーション科 理学療法士 平塚 孝
○慢性閉塞性肺疾患(=chronic obstructive pulmonary disease:COPD)とは・・・?
肺に炎症が起こり、空気の通り道である気道が狭くなり、吸った息(空気)を吐き出しにくくなる病気です。「すぐに『息切れ』を起こしてしまう」、「『せき』や『たん』が続く」というのは、いずれもCOPDの代表的な症状です。しかし、『息切れ』がある方も、身体を動かすことは大切です。また、継続的な運動以外に、まず日常から生活習慣から見直してみましょう。
○COPDには・・・
①運動療法・呼吸法(口すぼめ呼吸)、②栄養改善、③適切な薬物投薬、④(在宅)酸素療法、⑤禁煙等が推奨されています。
○『息切れ』があっても運動をしてもいいの?~運動の選び方とその強度の目安~
一般的には、簡便なウォーキングなど、有酸素運動が有効とされています。但し、その方の症状によって異なりますので、主治医に相談の上、実施してください。
頻度:週3回以上
強さ:「快適と思えるところから始め~やや強い」と感じる程度まで!
時間:5分程度から開始し、徐々に時間を延長していく(最終的には20分程度を目標に!)
⇒その際、呼吸のリズムと歩行のリズムを合わせることを意識してみましょう。そうすることで、より効果的となり、息切れや呼吸困難感も起こりにくくなるでしょう。
それでも、もしも息切れを起こしたとしても・・・
パニックを起こさないでください!!
こんな対処法があります!!!
☆呼吸困難を生じた時の対処法・パニックにならないように・・・【パニックコントロール】
もし、急激な息切れや呼吸困難感を感じた場合には、絶対に焦らず・・・前傾姿勢をとりましょう!
①口すぼめ呼吸:鼻から息を吸い、すぼめた口から細くゆっくりと息を吐く呼吸法。
②椅子を利用する場合:椅子に前かがみにもたれかかるような姿勢をとり、呼吸を整える。
③立っている場合:壁などに前かがみにもたれかかるような姿勢をとり、呼吸を整える。
※息切れ等の気になる症状がある方は、まずは主治医にご相談ください。