健診ナビ
肺の検査について
健診センター 看護師 佐々木 亜衣
今回のテーマは、「肺の検査」です。肺の検査には様々な種類がありますが、今回は、健康診断や人間ドックで一般的に行われている「胸部X線検査」「胸部CT検査」「肺機能検査」について紹介します。
① 胸部X線検査
胸部X線検査(レントゲン)は、日常の診療でも多く行われている基本的な画像検査です。特に肺の病気の診断には重要な役割を担っており、健康診断においては、肺がんの早期発見を主な目的としています。がんの他にも、「結核」や「間質性肺炎」などの病気が見つかることもあります。
② 胸部CT検査
胸部CT検査は、X線照射による変化をコンピュータで解析し、胸部の断層写真として画像に表すものです。体を輪切りにしたような断面像を得られるため、X線検査では見えにくい部分もよくわかります。より精密な検査として、人間ドックのオプション検査にも取り入れられています。
③ 肺機能検査
肺機能検査では、一般に「スパイロ検査」を行います。スパイロ検査は、検査機器につながったマウスピースをくわえ、指示の声に合わせて息を吐いたり吸ったりすることによって、「肺活量」や肺の「換気機能」を測定する検査です。検査の結果、「換気障害」があると判断された場合、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」や「気管支喘息」など、様々な病気の可能性が考えられます。
Q&A
Q.健康診断の胸部X線検査で、「異常陰影がある」といわれました。どのような対処が必要ですか?
A.X線画像で、肺に正常な像とは違う影が写っていると「異常陰影」といわれます。影の正体は、肺がんや結核、肺炎などの病気の場合もありますし、かつての感染症の痕跡など、特に異常のない場合も考えられます。いずれにしても、速やかに内科や呼吸器科を受診し、精密検査を受けて原因を確認しましょう。