薬局だより
糖尿病の薬について①
薬局 薬剤師 大塚 亮
糖尿病は、体の中で糖分を処理するシステムがうまく働かないために血糖値が異常に高くなる病気です。今回は糖尿病のお薬について、飲み忘れ時の対応も含めてお話したいと思います。
<糖尿病の種類>
・1型糖尿病・・・膵臓のインスリン分泌を行うβ細胞が破壊され、体内のインスリン量が極端に低下して起こります。
・2型糖尿病・・・インスリン分泌の低下と体内の細胞のインスリンに対する感受性低下(インスリン抵抗性)を伴う病気。糖尿病の95%以上はこのタイプと言われています。
※インスリンとは…からだの中で唯一血糖を下げるホルモンで、食後に血糖が上がらないように、調節するはたらきがあります。
<糖尿病の薬>
①ルホニル尿素(SU)薬・・・アマリール、グリミクロン、オイグルコンなど
膵臓に直接働きかけて、インスリン分泌を促進させ、血糖値を低下させます。
(飲み忘れ時の対応)
原則として食後1時間以内であれば飲んでください。それ以上の場合は低血糖をおこす危険があります。
②ビグアナイド(BG)薬・・・メトグルコ、グリコラン、メデットなど
主に、肝臓で糖を作り出す働きを押さえます。
(飲み忘れ時の対応)
気付いたときにすぐ飲んでください。次の服用時間が近いときは飲まないでください。
③α‐グルコシダーゼ阻害薬・・・ベイスン、グルコバイ、セイブルなど
小腸での糖の分解・吸収を遅らせることによって食後の高血糖を改善します。
(飲み忘れ時の対応)
このお薬は食事の直前に飲むお薬です。食事中であればすぐに飲めばよいですが、食後では飲んでもほとんど効果は期待できません。
※来月も引き続き、糖尿病のお薬についてお話したいと思います。