ワンポイントリハビリ
心臓リハビリテーションについて
リハビリテーション科 理学療法士 武田 渉
心臓病は悪性新生物(がん)に次いで日本人の死因第2位となっており、臓器別死亡原因としては第1位です。心臓病はとても身近なものであり、「予防」や「治療後の体力向上」のために運動療法は重要なものとなります。最近では天皇陛下が術後早期から歩行練習などのリハビリテーションを行ったことで話題となりましたね。今回はそれらを踏まえて、簡単な運動をご紹介いたします。
<なぜ行う?心臓リハビリテーション>
○心臓リハビリテーションの目的となる二本柱
●心機能の低下によってもたらされる全身の機能回復
→運動をすることで筋肉が増えて動作が楽になり、心臓への負担が少なくなります。
●再発や新たな発症を防ぎ、社会復帰を目指す
→心臓病による死亡が23%改善、再発は28%改善するというデータがあります。
<簡単にできる運動のご紹介>
○ウォーキング(有酸素運動)
歩行、軽いジョギングなどのような、全身をリズミカルに動かす運動が良いとされています。呼吸をしっかりと行いながら、軽く汗ばむ程度の、「ややきつい」と感じる程度行いましょう。
○レジスタンストレーニング(抵抗運動)
①上半身
右図のように、手足を腰幅に開き、安定した壁に手をつく。
体を前に傾け、腕に体重をのせる。
ゆっくりと肘の曲げ伸ばしをする。
②下半身
椅子からゆっくり立ち上がり、ゆっくり座る。
座面は高いほど楽にできます。
☆運動時間は30~60分、週に3~5回程度行うことが理想的とされています。無理せずにできる範囲で行ってみてください。
運動は健康状態によって、適切な運動量・負荷があります。まずは身近の医療機関にて、相談して頂くことをお勧めいたします。