ワンポイントリハビリ
住宅改造について~②手すり編~
リハビリテーション科 理学療法士 但野 祥吾
「住宅改造」とは住宅部分に工事を行うことによって、日常生活の不便・不自由を解決させようとする手法です。 今回は転倒事故を防止するためのひとつの策、「手すりの設置方法」についていくつかご紹介します。
・廊下の手すり
一般的に床から750mmが標準的です。具体的には、「立った状態で腕を床方向に垂らしたときの手首の高さ」に手すりの高さを設定するとよいでしょう。手すりの太さは32~36mmを目安にすると、バランスを崩したときに握りやすいでしょう。また、曲がり角も手すりを連続させると、握り替えを少なくできます。手すりの断面を壁に収めておくと衣服の引っ掛かりを防ぐことができます。
・トイレの手すり
便器からの立ち上がり動作用の手すりは、縦手すりが基本となりますが、使用者の動作特性や障害特性によって横手すりが選択される場合もあります。また双方の特徴を併せ持つL字手すりが選択される場合もあります。
設置位置には目安があり、特に重要となるのは便器と縦手すりとの距離です。立ち上がりの際に前方への重心移動を促すために便器先端から250~300mmの距離が適するとされています。ただし、極度の円背姿勢の高齢者では、正常な姿勢の人に比べてより深くおじぎしながら立ち上がるため、便器先端から400mm以上離れた位置に設置することもあります。
改造を行う方法は様々であり、介護保険制度や自治体によって異なりますが、まずはスタッフへご相談ください。