南東北看護師コラム
大腸がんの発生場所と症状
がん化学療法看護認定看護師 佐藤 あや
現在、食生活が欧米化した日本では大腸がんが増加傾向です。
大腸がんには、直腸がんと結腸がんがあり、特に結腸がんが増加しています。
動物性の脂肪を摂取すると、脂肪を消化する際に発生する物質のなかに発がん物質があり、大腸の粘膜にがんが発生すると考えられています。大腸がんの発生部位はS状結腸と直腸で約70%を占めます。 S状結腸は便が長い間貯留している場所であり、このことが原因で発生率が高いと考えられています。
大腸がんの代表的な症状は、血便、便通異常、腹痛です。
盲腸と上行結腸がんでは、腸の内径が太く、便通の異常が起こりにくいこと、この場所の便は液状であること、出血しても排便までの時間がかかる事などから早期発見しにくい傾向にあります。 腹部のしこりや、出血による貧血で全身倦怠感となり発見されることも少なくありません。
下行結腸やS状結腸ではがんにより便が通過しにくくなり、便秘や下痢の症状で発見されることがあります。また、肛門に近い場所のため血便で発見しやすくなります。
直腸がんの出血は便に血液が付着して発見されることが多く、がんで直腸内が狭くなると、便が細くなったり、排便後も残便感が残る事があります。
大腸がん検診では、便潜血検査で便に混じった血液を見つけ、自覚症状がないがんを発見できる方法として広く行われています。大腸がん検診を定期的に受けることで、早期発見につながります。