ワンポイントリハビリ
加齢性難聴と認知症
言語療法室 言語聴覚士 佐々木 愛子
加齢性難聴とは、年齢を重ねるにつれて生じる聴力の低下のことで、65歳以上で25?40%、75歳以上で40?66%、85歳以上では80%に達します。
2020年の国際アルツハイマー病協会で、医学的に介入が可能な危険因子のうち難聴が8%で最も影響が大きいと報告され、難聴と認知症の関係が注目されるようになっています。
難聴と認知症の関連メカニズムについて様々な仮説がありますが、難聴により知覚入力が減少することによって認知機能の低下につながるのではないかと考えられています。
補聴器を使用することで認知機能の低下を抑制出来るといった研究報告もあり、認知症予防の観点からも「聞こえ」を改善させることは有効かもしれません。
補聴器を使用する際は、まずは耳鼻科医に相談し、補聴器が必要か、効果があるか診断を受けることが大切です。その上で、補聴器販売店に相談することをお勧めします。
【参考文献】Auditology Japan64,2021 認知症と加齢性難聴―認知症予防対策における補聴