薬剤科だより
消毒薬について
薬剤科 薬剤師 妻神 菜奈子
消毒用アルコールとは?
一般に、アルコールとはアルコールの一種である「エタノール」という成分をさします。
特徴として、速乾性があり短時間で幅広い種類の微生物に効果があるため、医療現場でも頻繁に使用されています。しかし、粘膜や傷口には使えないこと、引火性があることに注意が必要です。また、エタノールは皮膚を乾燥させるので、手荒れの原因となることがあります。
エタノールが最も効果を発揮する濃度は約70%といわれており、濃度が高すぎたり低すぎたりすると効果が落ちてしまうため、60~90%程度が消毒に適しています。アルコール消毒剤にはそれぞれ異なる特徴があるため、手指衛生の目的に応じて業務や手肌に合った製剤を選ぶと良いでしょう。 また、保湿剤が配合されているものや、ジェル状の製品などさまざまな製品が販売されています。目的にあった製品を選びましょう。
手指消毒のポイント
●手洗い時のすすぎが不十分で石けん成分が残っていたり、水気が残っていると消毒液の効果は減少します。しっかりすすいで水気を拭き取りましょう。
●消毒液は爪に消毒液がかかるように指を折り曲げて受け、両手の隅々まで行き渡らせましょう。
●手につけるだけでなく、すり込むことが大切です。完全に揮発するまで、少なくとも15秒は液が残っている状態で手をすり合わせるようにしましょう。
手洗いは衛生的手洗いを!
~『サラヤ株式会社ホームページ 知っておきたい!家庭の感染と予防』より~
石けん液をしっかり泡だてて洗い、流水で流します。
清潔なハンカチやペーパータオルで、水分を残さないように拭き取ります。
手指消毒剤(ハンドアルコール)を手に取って、乾くまで両手にしっかりすり込みます。