ワンポイントリハビリ
排痰(痰を出す)方法について
リハビリテーション科 理学療法士 齋藤 恵
これから寒くなる時期は湿気が少なくなり、暖房器具を使用することもあって空気が乾燥する日が続きます。そんな中、「朝方などに痰が絡むけれど中々出ない」ということはないでしょうか?特に高齢になると痰が出しにくくなる方も多くいらっしゃいます。そこで今回は、痰と排痰についてお話させて頂きます。
痰は本来、体内に入り込んだ細菌やウイルス、ほこりをからめとって、効率的に体の外に出す役割があります。しかし、痰が体の外に排出できずに溜まってしまうと肺や気道などの空気の通り道を狭めてしまい、息苦しくなる場合があります。
また、痰を出すことで体の外に排出されるはずだった細菌などが体内に留まると、体内で繁殖し風邪などの感染症を起こしやすくなる可能性があります。
そのため、痰は体内に留めずにこまめに出す必要があります。
痰は固くなると出しにくくなるため、
①普段からこまめな水分摂取を心がけましょう
②室内が乾燥している時は、加湿器などで湿度を高くしましょう
①座って軽く身体を前に倒します
または、ベッドで横向きになります
②軽く呼吸を整えます
③深呼吸を3~4回ほど繰り返します
④少し勢いをつけて『ハー』と息を吐きます
⑤『②~④』を繰り返し、痰が上がってきたら、
少し喉を鳴らす様に咳をします
⑥痰が出たらティッシュで取り除きましょう
*なかなか痰が出ない時は、無理に咳を繰り返さずに一度水分をとるなどして痰を柔らかくしていきましょう。