ワンポイントリハビリ
高齢者が冬場に気をつけること~冬に増加する「転倒」にご注意!~
リハビリテーション科 作業療法士 星宮 夕葵
全国各地で日増しに気温が低くなり、本格的な冬の到来を迎えています。この時期に増加傾向にあるのが高齢者の「転倒」事故です。高齢者の転倒は、骨折や頭部外傷等の重大な障害を招き、そのことが原因で介護が必要な状態となることもあります。
なぜ寒いと転倒しやすいの?
冬場に暖房のきいた暖かい部屋から家の外に出ると、急激な温度変化により筋肉が固くなります。それにより歩幅が狭くなったり、背中が丸くなったりして、身体がバランスを崩しやすく転倒につながる事例が多く発生します。寒い時期の外出の際は、いきなり冷気に身をさらすのではなく、出かける前に身体を温めておくことが転倒予防につながります。では、自宅で簡単に行える運動をご紹介します。
運動のご紹介
椅子からの立ち座り(鍛えられる部位:太もも/お尻)
椅子からの立ち座り
(鍛えられる部位:太もも/お尻)
【方法】
□足は肩幅よりやや広く開く
□つま先は外側に向ける
□両手は胸の前で交差させる
□ゆっくりと椅子から立ったり座ったりを繰り返す
□10回1セットで、1~3セット行う
壁腕立て伏せ(鍛えられる部位:腕/肩/二の腕)
壁腕立て伏せ
(鍛えられる部位:腕/肩/二の腕)
【方法】
□壁から腕の長さほど離れる
□足は腰幅、肩の高さで壁に手をつく
□手は八の字で肩幅よりやや広くする
□ゆっくり壁に胸を近づける(息を吸う)
□手で壁を押し、肘を伸ばして元に戻る(息を吐く)
□10回1セットで、1~3セット行う
実際にやってみると身体が少し温まってくるでしょうか。元々運動習慣がない方は少しきつく感じるかもしれません。無理のない範囲で行い、この冬を元気に乗り切りましょう。