薬局だより
薬の飲み方②
薬局 薬剤師 東 宏子
薬には、もっとも効果を発揮する服用タイミングがあります。薬によってタイミングは異なりますが、今回はそのタイミングと、その時に飲むと効果的な薬の種類について詳しく紹介していきます。
1. 食後:食後約30分まで
食事で胃がふくらんでいる状態です。内服薬の多くは、食後と指示されます。これは食後だと比較的胃を荒らさないため、また、食後とすることで薬を飲み忘れないようにするためです。
●胃の消化を助ける薬
●食べ物と一緒のほうが、吸収がよい薬
●胃に障害を起こしやすい薬(食べたものが胃粘膜への刺激をやわらげてくれるためです)
2.食前:食事前の約30分前
食前は胃が空っぽの状態です。胃が空だと一般的に薬は速く吸収され、速く効果を現します(例外もあります)。その代わりに胃を刺激しやすく、胃が荒れやすくなります。
●一部の血糖値を下げる薬(食後に血糖値が上がるので、食前に飲むことが多いです)
●直接胃粘膜に接して効果が出る薬
●食欲増進の薬
●食べ物と一緒でないほうが、吸収がよく効果が出る薬
3.食間:食後2、3時間
食事と食事の間のことで、食事の最中ではありません。食事の消化が終了して、胃の中が空っぽの状態なのは食前と同じですが、次の食事まで1時間ほど間が空いている点が食前とは異なる点です。
●直接胃粘膜に接して効果が出る薬
●食べ物と一緒でないほうが、吸収がよく効果が出る薬(漢方薬は、空腹時のほうが吸収がよいとされ、一般的に「食前・食間」の服用とされています)
4.寝る前
●胃酸の分泌を抑える薬
●喘息の薬
●睡眠薬
●便秘の薬(翌朝にお通じが来るようにする為です)
5.頓服:必要時
1回飲むだけで効果が出る薬が頓服(頓用)と呼ばれる薬です。頭痛薬や下痢止め、乗り物酔い薬、狭心症の薬など、症状が出たときに飲む薬です。基本的に食事とは無関係ですが、事前に薬剤師等に確認して下さい。