薬局だより
カフェインの話 ~栄養ドリンクについて~パート3~
薬局 薬剤師 中田 真生
カフェインは、脳の神経に興奮的な作用をもたらし、精神活動をよくします。眠気や疲労感をとったり、頭の重い感じをスッキリさせます。これらの効果があるため、以前はドーピングの禁止薬物に指定されていました。今も監視対象としてモニターはされています。他の頭痛薬の鎮痛効果を助ける働きもします。そのため、風邪薬、鎮痛薬、乗り物酔い薬に含まれていることがあります。なので、風邪薬を服用している場合はカフェインが含まれてない栄養ドリンクを飲むことをお勧めします。
多くのドリンクでは1本あたり50mg含まれていますが、眠気防止に特化しているものは100mg、200mg含まれているものもあります。コーヒーに多く含まれていることが知られており、お茶や紅茶、コーラにも含まれています。実はコーヒーよりもお茶(玉露)の方に多く含まれていることは知っていましたか?但し、お茶に含まれているタンニンという成分がカフェインと結合しやすく、カフェインの作用をマイルドにしています。含有量の目安ですが、150ml当たり、インスタントコーヒーで約60mg、お茶(玉露)で180mg、紅茶、せん茶で30mgほどです。
カフェインを取り過ぎると頭痛や耳鳴りを起こすことがあり、1回につき500mg、1日に1g(1000mg)以上とると、胃部不快感、動悸(どうき)などの副作用が起きやすくなると言われています。通常の栄養ドリンクで計算すると10本~20本分の量になりますので、1日に1本服用しその他にコーヒーを適度に飲む程度は問題ありません。毎日大量にカフェインを取り続けていると中毒になることがあり、カフェインを摂取しないと頭痛がするなどの症状が出ることがあります。
先にも述べましたが、カフェインは風邪薬などの医薬品にも含有されています。
これまでに説明しましたタウリン、ビタミンB群、カフェインが多くの低価格帯の栄養ドリンクに含まれている主要な成分です。この他にも鉄などのミネラルやローヤルゼリー等を配合したものもありますが、低価格帯のドリンクでは効能効果に大差はありません。
価格の高い栄養ドリンクの中には、滋養強壮に効果のある人参エキス等の漢方薬を配合しているのもあります。その種類や濃度によって価格もバラバラです。
栄養ドリンクは高いから効く、何本も飲んだからその分効くという訳ではありません。自分の体調にあったものを服用するようにしましょう。