健康寿命をもっともっと伸ばそう！
画像診断センター長 中川 学
健康寿命とは、医療・介護に依存しないで、自分自身の力で生命を維持し、自立した生活ができる生存期間とされています。 一般的には、寿命より10年程短いと言われています。つまり、健康寿命を延ばすことは、活き活きとした生活ができる期間を延ばす事と同義と言えます。
では、どのようにすれば健康寿命を延ばす事ができるのでしょうか？
高齢者の健康を支える鍵は、『食・動・楽』にあるとされています。①カロリーや栄養素を考え3食をきちんと食べること。②普段から体を動かし体力を高めること。③楽しいことを優先して実行し、 避けられない嫌なことは可能な限り面白がって行うこと。これらをきちんと意識しましょう。
それ以外に意識する事は、病気の早期発見・早期治療となります。病気の早期発見・早期治療を助ける一つの手段として健康診断があります。一般的な生活習慣病予防をきちんと行うことはとても大事です。 しかし、死因の多くは癌です。一般的な健康診断だけでは発見が遅れることが多々あります。やはり、PET/CT検査を含めた癌検診にも目を向けて頂きたいと思います。
では、認知症に関してはどうでしょうか？今までは進行を遅らせる治療薬が主体でしたが、『レカネマブ』というアルツハイマー病に対する薬が開発され、少しずつですが明るい兆しが見え始めています。 つまり、認知症も早期に発見しきちんと治療を受ければ、健康寿命を延ばせることになります。その早期発見に役立つのが、認知症早期の専門医への受診とアミロイドPET検査、そして適切なタイミングでの治療薬使用となります。 アミロイドPET検査とは、認知症の原因となる物質を検出する検査です。従来のPET/CT検査装置で注射する液体を変更し、頭のみを撮影する検査です。当院でも使用登録申請が終了し、いよいよアミロイドPET検査が行えるようになります。 是非、認知症の早期発見に役立てて頂きたいと思います。最近物忘れが増えた、同じ事を繰り返す会話が増えた、外出したがらなくなった、こんなとき、是非認知症専門医の外来を受診し、専門医の指導の下アミロイドPET検査を受けて頂きたいと思います。
認知症になっても、健康寿命を延ばす事を諦めなくていい時代が見えてきています。より健康寿命を延ばす事を意識して、人生を謳歌してください。
