認定看護師コラム
いざというときの応急手当:「出血」
救急看護認定看護師 鎌田 貴幸
8月は夏休みやお盆休みなど長期休暇の機会が多く、スポーツや観光など屋外で活動することが多くなると思います。今の季節、一番気を付けなければならないのは熱中症です。そのほか、からだを動かすことが多いためにケガをしてしまうこともあると思います。屋外の活動などでケガをしてしまい出血したときに、慌てないで応急手当ができるようにしましょう。
止血の基本は「直接圧迫止血法」です。出血している傷口を清潔なガーゼやハンカチなどで直接圧迫する方法です。ほとんどの出血はこの止血方法で止めることができます。病院を受診するときも「直接圧迫止血法」を実施しながら移動してください。病院に着いた頃には止血されていると思います。その後で医師の診察、治療を受けてください。
また、傷口からの出血以外に鼻出血もよくみられる症状です。鼻出血はキーゼルバッハ部位(鼻の入り口に近い静脈)からの出血がほとんどです。鼻翼という部位(いわゆる小鼻)を両側からつまんで5分~10分圧迫するとほとんど止血されます。鼻翼を圧迫しているときに、のどの奥や口に流れてきた血液を飲み込んでしまうと気分が悪くなりますので吐き出すようにしましょう。圧迫しても出血が止まらなかったり、何回も出血する場合は専門医を受診しましょう。鼻出血は高血圧や血液疾患などでも出血することがあるため、常日頃から健康に気をつけましょう。