退院調整看護師からのお知らせ
骨粗鬆症について
南5病棟 看護師 松本 祥子
骨粗鬆症とは
骨の成分が全体として減少し骨折しやすくなった状態を骨粗鬆症と呼びます。
原発性骨粗鬆症(明らかな原因疾患が見つからないもの)が骨粗鬆症の90%以上を占め、そのほとんどが中高年者に起こる退行期骨粗鬆症です。男女とも発症はしますが、女性では閉経後に出現し、男性に比べ発症時期が早いため重症化しやすく骨折などの臨床的な問題を引き起こしやすいので、注意が必要です。症状は、腰痛、背中の痛み、骨折などです。骨折は、脊椎(背骨)、大腿骨頚部(足の付け根)に起こりやすくなります。脊椎は圧迫骨折といい、背骨がつぶれる骨折が多く、腰が曲がり、前かがみになり、背が小さくなる姿勢の原因となります。
骨の2つの機能
●体に必要なカルシウムの補充庫として機能(血液中のカルシウムが不足した場合、骨が溶けることで不足を補います。)
●身体の支持組織としての機能(骨が支点となって筋肉が作用します。)
骨粗鬆症の原因
高齢になっても骨は毎日少しずつ作られ、また、少しずつ壊されていきます。作られる骨の量より壊される骨の量が多くなると骨粗鬆症になります。
●性ホルモンの低下、女性では50歳前後の閉経期から、男性では70歳前後から性ホルモンが低下すると言われています。ホルモンは骨の形成を促進し、また骨の減少を抑制する作用があり、これらの性ホルモンの低下が退行期骨粗鬆症の発症に関与していると考えられます。
●カルシウム摂取不足、ビタミンD不足(ビタミンDには腸からのカルシウムの吸収を良くし、また、腎臓から尿としてカルシウムが体外に失われるのを防止する働きがあります。日光照射不足でビタミンDが不足します。)
●副甲状腺ホルモン、カルシトニンなど骨の代謝を調節するホルモンのバランスが崩れるため。
●運動不足 など
治療
●食事療法…牛乳、乳製品のカルシウム、小魚、ひじきなど
●運動療法…散歩などを行い、骨量を増やす。
●薬物療法…カルシウム製剤、活性化ビタミンD、カルシトニン、ホルモン補充療法
※気になる症状や心配なことがあれば、かかりつけ医等に相談しましょう。