南東北看護師コラム
認知症と間違えやすい病気
認知症看護認定看護師 山田 愛実
2023年が始まりました!皆様はお正月をどのように過ごされましたか。私はきっと寝正月だと思います。(こちらを書いているのは11 月です。)
今回は、認知症と間違えやすい病気についてお伝えします。
原因 | 疾患名 |
神経変性疾患 | アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症 |
脳血管障害 | 脳梗塞、脳出血、脳動脈奇形、モヤモヤ病 |
感染症・炎症 | 脳炎、慢性髄膜炎、神経梅毒、エイズ、クロイツフェルト・ヤコブ病、膠原病など |
頭蓋内病変 | 正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍など |
内分泌異常代謝障害 | 肝障害、腎障害、糖尿病、甲状腺・副甲状腺機能亢進又は低下、下垂体機能低下症 |
低酸素障害 | 心疾患、呼吸器疾患、一酸化炭素中毒 |
ビタミン欠乏症 | ビタミンB1・B12 欠乏症、葉酸欠乏、慢性アルコール中毒、一酸化炭素中毒、薬物中毒 |
自己免疫疾患 | 多発性硬化症、ベーチェット病 |
中毒性疾患 | 薬剤(抗精神病薬、抗うつ薬、催眠・鎮静剤、抗パーキンソン薬、抗コリン薬、抗てんかん薬、抗腫瘍薬、副腎皮質ホルモンなど)、金属(鉛、有機水銀など)中毒 |
精神科疾患 | うつ病(仮性認知症) |
これは、認知症の症状を示す疾患の一覧表です。沢山ある事に驚かれたのではないでしょうか。この中には、治療が可能な病気も含まれています。
私のように寝正月になりやすい人に要注意なのが脳血管障害です。運動や水分摂取の不足などで、小さな脳梗塞や脳出血を知らず知らずのうちに発症していることがあります。
そして、冬場にもう一つ注意が必要なのが、うつ傾向による仮性認知症です。冬場は寒さや日没の早さ、人との交流の減少などにより、うつ傾向を示しやすくなります。
冬に何となく気分が優れず、春が待ち遠しいと感じるのは、このためです。このうつ傾向が顕著になると認知症のように、もの忘れや日付が分からなくなる、などの症状が出現します。
また、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫のように手術によって症状が改善する病気もあります。
いずれの場合も大事なことは早期発見です。年齢のせいと思わず、まずは受診してみましょう。
当院では脳神経内科で診断を行っています。ぜひ、ご相談ください。