PETがん検診の特長
PET検査の4つの特長
早期発見
およそ1センチ前後の悪性腫瘍が発見できます。
がんの成長
がんの種類によって異なりますが、多くのがん細胞は約10~20年の長い年月をかけて成長していきます。その後、急に成長を速めます。
この増殖をはじめる前にPET検査によって早期発見し、早期治療をしていきます。
30分で全身スクリーニング
PET検査は1回で全身の検査ができます。
そのため予想外のがんの発見や転移の有無なども調べることができます。
がん細胞は正常の細胞よりも分裂が盛んに行われるため、グルコース(糖分)がたくさん必要とされます。そのため18F-FDGというくすりを静脈から注射すると、がんの病巣にたくさん集まります。その様子をPET装置で身体の外から撮影すると、がんがどこにあるか、がわかります。しかも、予想外の病巣を見つけることができるので、早期治療に役立ちます。
安全度の高い検査
PET検査では、わずかですが放射線被ばくがあります。
たとえば、18F-FDGというくすりを注射してPET検査を1回受けますと、およそ2.2mSv(ミリシーベルト)になります。これは、人が地球上で普通に暮らしていて、大地からの放射線や宇宙線、体内にある放射性同位元素によって被ばくする1年間の平均的な被ばく線量である2.4ミリシーベルト※とほぼ同じ量です。
また、胃のバリウム検査の約1/2の量で半減期は2時間ですから尿の排出などこの程度の被ばくでは、ほとんど副作用の心配もありません。
細胞の悪性度を診断
PETでは細胞の活動状態を視覚的にとらえ、がんを発見し、しかも、腫瘍の性質の推測もできます。
ガンの広がり(病期)の診断
ガンの広がりの程度(病期)の診断ができます。それによって治療の選択が決定できます。
ガンの治療効果判定
ガンの治療効果の判定ができます。抗がん剤や放射線治療の効果が判定できます。
ガンの転移 再発の診断
ガンの転移・再発が判定できます。
PET検査の有用性と限界
PET検査の限界
PET検査といえども顕微鏡レベルのがん細胞は発見できません。
また、検査薬は炎症などのがん以外の病気にも集積します。このためPETで異常があった場合、がんかどうかの確定診断のため、さらに他の検査が必要です。
PETにも得意ながんとそうでないがんがあることをご理解ください。
PET検査の得意ながん |
脳腫瘍、頭頚部がん、肺がん、乳がん、食道がん、すい臓がん、結腸がん・直腸がん、子宮がん、卵巣がん、悪性リンパ腫、悪性黒色腫など(がんの良性・悪性の鑑別診断) |
PET検査のやや苦手ながん |
前立腺がん |
PET検査の苦手ながん |
胃がん、腎がん、尿管がん、膀胱がん、肝細胞がん、胆道がん、白血病など (これらのがんが原発巣の場合、その診断はむずかしいのですが、転移・再発に対して有効な場合もあります) |
PET検査の弱点
多くのがんに有用で早期のがんを見つけることができる PET検査ですが得意ながんと不得意ながんがあります。
以下のような場合がん検出ができないことがあります。
・約1cm以下のがん
約1cm以下のがんはPET検査装置で検出できないことがあります。
・FDGの取り込み(糖代謝)が少ないがん
肝臓・前立腺がんや高分化型肺がんなどではFDGの取り込みが少ないため検出が難しくなります。
・胃がん
胃がんへのFDG集積は少なく、検出が難しいといわれています。
・尿路系のがん
FDGは尿として排泄されるため、正常でも腎臓や膀胱、尿路に集積し検出が難しくなります。
・がん以外への病変
FDGはがん以外でも、甲状腺などの良性腫瘍、 炎症や生理的変化などでも集積し、さらに精密検査が必要になることがあります。
当病院ではCT検査と腫瘍マーカー・便潜血反応などを組合わせて検診を行っています。
更にMRI・超音波検査を追加して総合的に診断を行います。
PET検査の保険適用範囲
他の検査・画像診断などにより診断が確定できない患者さんに関して保険適用が認められています。 |
悪性腫瘍(脳腫瘍・頭頚部がん・肺がん・乳がん・食道がん・大腸がん・転移性肝がん・膵がん・子宮がん・卵巣がん・悪性リンパ腫・悪性黒色腫・原発不明がん) 虚血性心疾患 |
保険適用に定められた用件を満たす場合 |
難治性てんかん |