薬剤科だより
貼付剤について
薬剤科 薬剤師 緑山 莉枝
筋肉痛の時や腕や足をぶつけた時に湿布剤を使用したことがあると思います。湿布剤にはテープ剤とパップ剤の2種類の剤形があり、それぞれどのような違いがあるかご紹介します。
テープ剤
テープ剤とは、ほとんど水を含まない基剤を用いる茶色い貼付剤です。
特徴として
・肌色の製剤となっていて目立ちにくい
・パップ剤と比べて薄く粘着力が高い
・はがしにくくかぶれやすい
などがあります。
パップ剤
パップ剤とは、水を含む基剤を用いる、白くて厚みのある貼付剤です。
特徴として
・水分が含まれており、テープ剤と比べてかぶれにくくはがしやすい
・はがれやすい為動きの激しい部位には向かない
などがあります。
<それ以外でも…>
パップ剤の中には温湿布、冷湿布のように着け心地が違うものもありますが、基本的に薬の成分は同じです。 患部が熱をもった症状の場合は、温感タイプを使用するとその配合成分の刺激を感じることがあるため、冷感タイプを使用するのがよいでしょう。 慢性症状の場合は、血行を促進させた方が気持ちよいと感じることがあるため、温感タイプがよいとされています。
最後に
テープ剤、パップ剤共に皮膚を刺激してしまいますので、皮膚に傷があると傷の状態が悪化してしまうことや、人によってかぶれやすいものがあります。
また、貼付剤には光線過敏症という重大な副作用が出る場合があるため、貼付した場合は患部を必ず覆って紫外線に当てないようにしましょう。
令和4年4月から保険診療の改定で処方できる湿布薬が最大9袋(63枚)になりました。病院で処方を受ける際には注意してください。
【参考文献】
パップ剤 | 帝國製薬株式会社 https://www.teikoku.co.jp/products/pa