南東北看護師コラム
周術期口腔ケアの重要性について
感染制御実践看護師 佐藤 千春
「周術期」という言葉を耳にしたことはありますか?手術当日だけでなく、その前後を含めた一連の期間を「周術期」といい、一般的に身体の抵抗力が落ちやすくなるといわれています。
周術期と口腔ケアにどのような関連があるかというと、全身麻酔では口から喉を通って肺の近くまで呼吸をサポートするチューブを入れます。
口の中には多くの細菌が存在しますが、口腔ケアによって数を減らす事は可能です。口腔ケアを怠り、口の中が汚れていると大量の細菌が気管・肺の中に押し込まれ、肺炎の危険性が高まります。 さらに、口腔内の菌が血流を介して全身に運ばれると、心臓や創部の感染に繋がることもあります。
周術期に口腔ケアを行い、口腔内を清潔に保つことで、肺炎や感染などの合併症の予防や入院日数の短縮などの効果が実証されていますので、手術前を含む周術期の口腔ケアは大変重要であることがご理解いただけるかと思います。

入院後は手術日前夜から飲食が出来ませんが、就寝前と当日の朝にはいつもと同じように歯を磨き、口腔内をきれいにしてから手術に臨んでいただく様にお願い致します。
また、当院は周術期口腔ケアに関して、岩沼歯科医師会(名取市、岩沼市、亘理郡)のご協力の下、連携歯科医院をご紹介できますので、外来でお気軽にご相談下さい。