薬剤科だより
便秘とその治療薬について
薬剤科 薬剤師 緑山 莉枝
今回は便秘とその治療薬についてお話します。
便秘とは
便秘とは、排便が順調に行われていない状態をいいます。排便習慣には個人差があり、明確な定義はありませんが、一般的には3~4日程度便通がないものを便秘と言います。
また毎日排便があっても便が硬くて量が少なく残便感がある場合や、排便に苦痛を感じる場合は便秘と言われます。逆に毎日排便が無くても、本人がすっきりしていれば便秘ではありません。
男女別で比べてみると、女性の半数以上が便秘で苦しんでいると言われています。
便秘になると肌トラブルが起こりやすくなったりします。それに限らず、腹部の張りや食欲不振、吐き気、めまい、血便などを引き起こすこともあります。
便秘症の治療について
便秘の治療方法は生活習慣の改善が基本となります。適度な運動や1日3回の規則正しい食事や食物繊維を多くとったり、十分な水分摂取を行うことで排便しやすくなると言われています。 また、便意を我慢すると悪化しやすくなるため我慢しないことが挙げられます。それでも便秘が改善されない場合には薬(下剤)を使います。下に代表的な下剤の種類を挙げます。作用は大きく二つに分かれます。
①機械的下剤…物理的に刺激を与え、腸の働きを助ける薬剤。癖になりにくいと言われています。酸化マグネシウム、カルメロース、DDS(ジオクチルソジウムスルホサクシネート)など
②刺激性下剤…腸の運動を活発にさせる薬剤。
センノシド、ビサコジル、ピコスルファートナトリウムなど
便秘のタイプに合わせて薬を使用していくため、医師より指示された方法を守って正しく服用すると同時に、正しい生活習慣を心がけるようにしましょう。