薬剤科だより
薬と食べ物の飲み合わせについて
薬剤科 薬剤師 緑山 莉枝
薬によっては､飲み合わせに注意が必要なものがあります。今回は代表的なものについて紹介したいと思います。
納豆・緑黄色野菜（大量摂取）・青汁・クロレラ ⇔ ワーファリン（ワルファリン）
ワーファリンは、ビタミンＫの働きを妨害して血液を固まりにくくする作用があり、血栓予防などに処方される薬です。つまり、ビタミンＫを豊富に含む食品を摂るとワーファリンの効き目を弱めてしまうことになります。
グレープフルーツ ⇔ 降圧薬
グレープフルーツには、高血圧や狭心症などの治療薬の一部に関し、薬の分解を阻害する成分が含まれています。 グレープフルーツを食べた後に薬剤を服用したり、薬剤をグレープフルーツジュースと一緒に服用したりすると、血圧が下がりすぎてしまったり、副作用があらわれたりする可能性があります。
ミネラル（カルシウム、マグネシウム等）含有食品（牛乳など） ⇔ 抗生物質
牛乳にはカルシウムなどのミネラルが多く含まれており、一部の抗生物質（ニューキノロン系、テトラサイクリン系）等と結合し、吸収されにくくなり、薬の効き目が弱くなります。
お酒 ⇔ 降圧薬、睡眠薬、安定剤、糖尿病治療薬
お酒には血管を拡げる効果があるため、降圧薬と同時に飲むと作用が増強し血圧が下がりすぎて、立ちくらみや眩暈を起こすことがあります。またお酒と糖尿病治療はお互いの作用の高めあいによって、低血糖の症状があらわれることがあります。
カフェイン含有食品 ⇔ テオフィリン等（気管支拡張薬の一部）
中枢神経刺激作用が増強する可能性があります。
ここで取り上げたものは、飲み合わせに注意する代表的な例です。他にも注意が必要なものがありますので、一緒に飲んでいる薬（サプリメントも含みます）や特に偏って摂っている食べ物などがあれば、医師や薬剤師に相談してください。
