ワンポイントリハビリ
生活習慣病について ~運動療法インターバルウォーキング~
リハビリテーション科 理学療法士 関川 美江子
生活習慣病の予防で運動を継続することは大切です。運動を継続することでエネルギー代謝の改善による体重減少やより良い血糖コントロールが期待できるからです。今回は、手軽に始めることができる運動療法としてインターバルウォーキングを紹介します。
インターバルウォーキングとは「早歩き」と「ゆっくり歩き」を数分間ずつ交互に繰り返す方法です。
1.背筋を伸ばします。
2.できるだけ大股を意識して踏み出し、かかとから着地。ひじは90 度にまげて腕を前後に大きく振ります。
3.早歩きのスピードは「ややきつい」と感じる速さ。
4.3 分間の早歩きと3 分間のゆっくり歩きを1 セットとし、1日5セット以上、週4日以上を目標にします。
低負荷の運動は持久力に優れた遅筋繊維(タイプⅠ繊維)が優先的に動員されるため、持久力の向上につながります1)
(注意点)前後にストレッチを実施し怪我や疲労を予防しましょう。早歩きは転びやすいため、足元に十分注意し、足がもつれない程度の速さで行いましょう。心臓や肺に病気がある人はかかりつけ医に相談してから行いましょう。
さらに効果を出すために毎日の生活の中でできること
普段から積極的に歩く
・そうじや洗濯などの家事で身体を動かす
・歩くときは歩幅を大きくして早歩きする
・家事や仕事の合間にストレッチや筋力トレーニングする
・仲間とスポーツを楽しむことなどを意識する
・今よりもプラス10分、活動的な生活を送る
コロナ禍において活動自粛が呼びかけられたことで、立ち姿勢での活動時間が減少し、座り姿勢での活動時間の増加が報告されています2)。 また、座り姿勢での活動時間の増加により2型糖尿病にかかりやすくなることが報告されています3)。立ち姿勢での活動を増やすことや筋力トレーニングに積極的に取り組んでいきましょう。
【引用・参考文献】
1)理学療法ジャーナル 2020年8月号 パフォーマンス向上のための筋力トレーニング
2)総合リハビリテーション2021年12月号介護予防に今こそ必要なリハビリテーション
3)健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団 インターバル速歩の効果より