南東北看護師コラム
骨を強くする骨粗鬆症予防の食事とは?
骨粗鬆症マネージャー 藤井 純
1.骨に必要な栄養素とはなんですか?
「丈夫な骨といえばカルシウム」 とすぐ思い浮かぶほど、カルシウムは骨にとって大切な栄養素ですが、カルシウムさえ補給しておけば安心というわけではなく、健康な骨づくりのためには「カルシウム」「ビタミンD」「ビタミンK」の3つの栄養素をバランス良く摂ってカルシウムをきちんと吸収し、 骨への沈着を促すことが大切です。
2.「カルシウム」「ビタミンD」「ビタミンK」の3 つの栄養素の働きについて
①カルシウム

骨や歯の材料になります。骨に欠かせない栄養素であると同時に、あらゆる細胞の機能や神経の伝達に不可欠な物質なので、常に血中に一定の濃度が保たれている必要があります。食事からのカルシウム摂取が不足した時には、骨を溶かしてカルシウムを取り出して使います。従って、カルシウムが不足すると骨や歯がもろくなりやすくなります。 骨粗鬆症や骨折予防のための推奨摂取量は、1日700~800mgとされていますが、60歳以上のカルシウム摂取量は500~600mgで、あと200mg程度足りない様です。カルシウムは、乳製品や骨まで食べられる小魚、青菜に多く含まれています。
②ビタミンD
カルシウムの吸収や利用に関わるビタミンで、1日15~20μgの摂取が勧められています。ビタミンDは、主に魚類やきのこに含まれていますが、紫外線を浴びることで体内でもつくられますので、適度な日光浴は骨の健康維持にも役立ちます。冬は30分~1時間程度、夏は30分程度過ごすだけで十分です。 屋内で過ごす時間が長い高齢者や、美容のために過度な紫外線対策を行っている人では、ビタミンD不足が心配されます。運動をかねて積極的に外出する機会をつくって、上手に紫外線と付き合い、ビタミンDを作っていきましょう。
③ビタミンK

骨の代謝に不可欠な、たんぱく質の合成を促進して骨の質を維持してくれます。1日250~300μgの摂取が勧められています。ビタミンKは、主に納豆や緑葉の野菜に多く含まれます。納豆は1パック食べるだけでも350μg以上摂取することができます。 ただし、血液をサラサラにするお薬(ワーファリン)を服用している方は、薬の効果が弱くなってしまうためビタミンKの摂取には十分注意してください。
3.手軽にカルシウムをとれる食べ方

「サンマの味付け缶詰」、「サバの缶詰などの缶詰」は骨ごと食べられるのでカルシウムが豊富に含まれ、ビタミンDも一緒に摂取することができます。また、調理せず手軽に食べることができるのでおススメですよ。今日のご飯の一品にいかがでしょうか?