薬剤科だより
かぜについて
薬剤科 薬剤師 緑山 莉枝
季節の変わり目には体調を崩す人も多いのではないでしょうか。今回は「かぜ」についてお伝えしたいと思います。
かぜとは
「かぜ」とは風邪症候群と呼ばれ、喉・鼻といった上気道に起こる急性炎症性疾患の総称です。基本的には安静にしていれば自然治癒する病気です。原因はウイルスです。
ウイルスが鼻やのどの粘膜に感染し増殖すると、免疫が活発になり、その働きが組織の炎症を起こして風邪の症状が現れるようになります。
かぜの治療
かぜはウイルスへの感染であるため、基本的には自然治癒が見込める疾患です。ウイルスには特効薬がないこと、ウイルスには抗生物質が効かないということから、かぜで受診しても対処療法として解熱剤などが処方される場合がほとんどです。市販の風邪薬の成分には以下の様なものがあります。
●発熱、頭痛などの痛みに効果を発揮する
例)イブプロフェン、サリチルアミド、アセトアミノフェン
●くしゃみや鼻水を抑える
例)クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン
●咳に作用する
例)ジヒドロコデイン、メチルエフェドリン
●痰の排出を促進する
例)アンブロキソール
最後に
かぜを引いてしまった場合には外出を控え、栄養と睡眠を十分にとる様にしましょう。かぜは誰でも経験する疾患ですが、喘息など呼吸器疾患を患っている場合には、症状が悪化する恐れがあります。また、ただのかぜだと思っていたら細菌感染が原因で症状が出ている場合もあります。 OTC(薬局・薬店・ドラッグストアなどで処方せん無しに購入できる医薬品)は誰でも手軽に購入できるというメリットがありますが、自己診断で長期間使用してしまうデメリットもあります。症状が長く続いたりするようであれば受診するようにしましょう。