南東北看護師コラム
手術を安全にうけていただくために その2
手術室看護副主任 周術期管理チーム 梅原 妃香留
令和3年2月号では患者さんにご協力いただく手術の事前準備として、化粧・マニキュアについて説明しました。今回は『ヒゲ』について説明させていただきます。
全身麻酔で手術を受ける時にはヒゲを剃る必要があります。
「全身麻酔とヒゲってどう関係するの?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
全身麻酔で手術を受ける患者さんは、人工呼吸器で呼吸を管理するので空気の通り道を確保するために口からチューブを入れます(※写真1)。このチューブがズレないように唇の周りや顎にテープを貼って固定します。 この時、ヒゲがあるとテープがうまく貼れず浮いて剥がれやすくなり、チューブが不安定になります。チューブが固定されていないと手術中の呼吸管理ができなくなり、大変危険な状態になってしまう可能性があるのです。
(※写真1)
では「必ず」「どんな手術でも」ヒゲを剃らなくてはいけないのか?
特別な理由やこだわりがないなら手術前に剃った方がいいでしょう。しかし、「どうしてもヒゲを剃りたくない!」と思う方や、宗教上の理由で剃れない方もいるかと思います。 手術の内容や手術中の体勢など、安全のためにどうしても剃らなくてはならない場合もありますが、ヒゲの長さや範囲・場所によっては剃らずにテープを固定できることもあります。 手術の際には麻酔科医、または手術室看護師にご相談いただければ説明・検討させていただきますので、お気軽にお話しください。