南東北看護師コラム
この症状が出たときは脳卒中の疑い~ACT-FASTについて~
東1病棟看護副主任 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 澤邉 晃永
脳卒中とは「突然中あたる」という意味で、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害の総称です。脳卒中の危険因子は動脈硬化、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、肥満、不整脈があります。危険因子につながる生活習慣には喫煙、過度の飲酒、ストレスの蓄積があげられます。さらに加齢や遺伝的要素も関係します。
脳卒中になってしまった場合、脳梗塞であれば抗血小板薬や抗凝固薬といった、いわゆる血液をサラサラにするお薬を生涯にわたり服用することが必要になります。一度でも脳卒中になると、障害を受けた部位によりそれまでの生活が一変してしまうこともあるので、脳卒中にならないような生活習慣を送ることが望ましいと言えます。
今回はもし脳卒中が疑われる場合はどんな症状が見られるのか、そしてどう対処すればいいのかをわかりやすく説明したACT-FAST という資料をご紹介します。
ACTとは行動を意味します。FはFace(顔)で顔面麻痺をさします。AはArm(腕)のことで、つまりは麻痺の症状です。SはSpeechで言葉が出ない症状をさしています。これら3つの症状の内、1つでも出現していれば脳卒中の可能性が高いです。そのときは最後のTime(時間)の、発症した時間が分かれば記録しつつ、救急車を速やかに要請しましょう。発症した時刻を明確にしたい理由は、原因が脳梗塞であれば、時間的制約のある血栓溶解療法や血栓回収療法を選択できる機会があるためです。ですから症状が出現した場合は様子見をすることなく、また安全に医療機関まで到達できるよう救急車を要請してください。
ACT-FAST
3つの症状が1つでも出たら脳卒中のサインです。時間を記録して救急車を呼びましょう。
Face
(顔の麻痺)
顔の半分がさがっている
Arm
(腕の麻痺)
腕に力が入らない
Speech
(言葉の障害)
呂律が回らない・話せない
Time
(発症時刻)
発症した時刻を記録する