ワンポイントリハビリ
糖尿病と運動療法について
リハビリテーション科 理学療法士 四野見 愛海
今回は糖尿病について基本的な知識を紹介していきます。
○糖尿病とは
膵臓からインスリンが分泌されなくなる(インスリン分泌障害)、もしくはインスリンが分泌されるが効きにくくなる(インスリン抵抗性亢進)などの作用不足によって、血糖値が慢性的に高値となる疾患のことをいいます。日本における糖尿病患者は、予備軍を含めると1000万人を超えるといわれています。
○糖尿病の種類
Ⅰ型糖尿病
主に小児~青年期に多く発症します。インスリンの分泌が急速・不可逆的に低下し高血糖となる病気です。Ⅰ型糖尿病は日本では少なく、全糖尿病の約5%以下です。治療としては、インスリン注射がメインとなっています。
Ⅱ型糖尿病
主に中高年に多く、インスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなるために生じます。遺伝要素に加え、過食・運動不足・ストレスなどの環境因子(生活習慣の不良)が大きく影響し発症に繋がります。Ⅱ型糖尿病は日本の糖尿病患者の約95%以上を占めます。
○症状
主な症状は、尿の量が多くなる・口が乾きやすくなる・水分を多量にとる・体重が急激に減る、などが挙げられます。
○治療
糖尿病の治療は、①運動療法 ②食事療法 ③薬物療法の3つを基本に行います。今回は、この中の運動療法について説明します。
運動療法の目的は肥満の解消と思われがちですが、痩せること以上に食後の運動によって即効的に食後高血糖を抑える効果や、運動の継続によってインスリンの感受性を高めることが重要な目的になります。
運動は食後1~2時間の時間を空け、少なくとも週3回以上が目安です。運動の内容としては、筋疲労が起こりにくい有酸素運動や、筋力向上させるレジスタンス運動(筋肉に軽い負荷をかける運動)が効果的であるといわれています。
次回は、運動療法の具体的な内容について詳しく説明していきます。