東北の復興10年から世界の復興10年へ
脳神経外科科長 風間 健
2011年3月11日の東日本大震災から10年が過ぎました。皆様方はこの10年、復興を目指し、頑張られてこられたかと思います。一番大変だったのは、東北の皆様方ですが、被災地ではない地域でも、被災地優先のために物流が滞ってスーパーの物が少なくなったり、ガソリン給油制限が起きたりしました。 計画停電といって、病院以外の場所が、一定地域毎に交代で停電になった地域もありました。それでも、被災地に義援金や物品を届けようとする方が多かったように思います。日本中で団結しようとしていたと思います。
実は私は、2011年4月7日の最大の余震に遭遇しています。医療救護班として避難所での診療に回るために、長野県から高速バス車中泊含め3泊4日で宮城県石巻市に来ていて、石巻の内陸の公民館に、各地からあつまった医療従事者達と一緒に雑魚寝をしている時に被災しました。 人的被害は無かったのですが、薬剤等荷物運搬用のスーツケースの取っ手が転倒により破損しました。信号が消えて道に迷ったり、状況が分からないために医療救護に出かけられずに待機していたり、ということもありましたが、被災者の皆様を少しでも応援したい、との思いに燃えていたと記憶しています。
そういった経験や、東北復興に微力ながら加担したい、という思いもあり、私も6年前の2015年から当院に勤務、微力ながら医療の面などで東北復興に加担してきたつもりです。
2021年2月13日午後11時8分、福島と宮城を中心とした東日本大震災の余震と考えられる震度6弱の地震がありました。私も被災、かなり家も散らかりましたが、家で飼っている金魚の水槽が破損、金魚はすぐには救出できなかったため、駄目になったかなと思っていましたが、なんとか6匹中5匹、復活してくれました。 次元は違いますが、大震災で被災した東北の皆様の、諦めない、負けない気持ちを、少し学べた様な気がしています。
2020年初め頃から、人類は新型コロナウイルス感染症と戦っています。コロナを終息させ、日本を、世界を復興するには、まだ様々な思いはあるかとは思いますが、東日本大震災に負けないで復興してこられた東北の皆様方を見習い、人類で団結するべきであると感じています。
今度は世界の復興です。皆様、励まし合いながら団結して、コロナに打ち勝ちましょう!