ワンポイントリハビリ
食事でむせる!?まず出来る対処法
言語療法室 言語聴覚士 佐々木 浩児
食事中に食べ物が変なところに入って、むせたり咳が止まらなくなったこと、皆さん一度は経験したことがあると思います。実はあの“変なところ”というのは肺の入り口で、「食べ物が肺(の入り口)に入ること」を「誤嚥(ごえん)」と言います。誤嚥は脳梗塞などの脳の病気にかかると起きやすくなりますが、近年は加齢に伴う 色々な原因があることがわかってきました。食事のたびに誤嚥していたり、多量になると入院治療が必要な「誤嚥性肺炎」を引き起こします。今回は、むせることが増えてきたらまず出来る対処法を紹介します。
① 食べ物をきちんと噛めるか しっかりと噛み切れないくらい歯が欠けていたり、緩い入れ歯をそのままつけたりしていると誤嚥を引き起こしやすくなります。すぐに歯医者さんに相談しましょう。
② 飲み込む姿勢 ペットボトルを口にくわえて飲むような“上を向いて飲み込む姿勢”は誤嚥しやすいです。首を丸めて顔を少し下に向ける(あごの下に自分の拳がちょうど収まるような)姿勢がおすすめです。
③ とろみをつける 人間の体は、水・お茶・味噌汁などのサラサラの液体を誤嚥しやすい構造になっており、“とろみ”をつけることで誤嚥を防げる場合があります。片栗粉ではなかなかとろみがつきにくい、常温や冷たい液体(種類問わず)にも数十秒で簡単にとろみがつけられる商品が、最近はお近くの薬局でも多く取り扱われています。当院売店 にもございますので、是非お試しください。