南東北看護師コラム
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と糖尿病
看護師(宮城県糖尿病療養指導士) 小澤 五月
世界中で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が依然として止まらない状況です。
高齢者の持病として、高血圧・糖尿病・心血管疾患・慢性呼吸器疾患などがありますが、糖尿病は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化を促すだけでなく、感染によりインスリンの抵抗性が強まり、糖尿病を悪化させる可能性があるとされています。
糖尿病の方は感染症に備えるためにも、普段から良好な血糖コントロールを保つことが大切です。治療を受けている人は、飲み薬やインスリン治療を中断しないようにしましょう。可能であれば血糖値のチェックも行いましょう。
また、糖尿病の方が感染症(シックデイ)を発症すると血糖値が大きく乱れることがあります。発熱や食欲不振により食事を十分に摂取できない時もあります。そういった場合の対処法である「シックデイルール」を知っておきましょう。
● シックデイルール ●
①暖かくして安静にする
・暖かくして寝ていることが大切です。体力の消耗を防ぎ、抵抗力が高まります。
②食事・水分・電解質をとる
・発熱があり食事が摂れない状態では、身体に入る水分量より、出ていく水分量が多いため 『脱水』状態になることがあります。脱水は症状悪化の第一歩です。
・発熱や嘔吐、下痢などの症状があるときは、身体の温まる、消化の良い、水分・電解質が 補給できるものを摂取しましょう。
③症状のチェックをこまめにする
・血糖値、体温、食事量、自覚症状などをこまめにチェックしましょう。
④早めに主治医と連絡をとる
以下のような症状がみられる場合は、早めにかかりつけの先生に相談しましょう。
・食事が摂れない、極端に少ない
・嘔吐や下痢が続く、腹痛が強い
・38.0度以上の高熱が続く
・高血糖が続く(350㎎/dl以上)
・意識状態に変化がある
上記のことを頭に入れておくとともに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかからない為に、これからもマスクの着用や石鹸での手洗い・手指消毒用アルコールによる消毒を実践し、3密(密閉・密集・密接)を避け、糖尿病の重症化を予防していきましょう。