薬局だより
不眠症について
薬局 薬剤師 武田 真由美
睡眠は心身の疲労回復をもたらすとともに、記憶を定着させる・免疫機能を強化するといった役割をもっています。健やかな睡眠を保つことは、活力ある日常生活につながります。
不眠症とは
夜間の不眠症状に加えて、日中への影響(眠気・倦怠・不安・抑うつなど)が伴う場合に不眠症と診断されます。
不眠の種類
入眠障害 | 入眠まで時間がかかる |
中途覚醒 | いったん眠っても、夜中に何度も目覚め、眠れない |
早朝覚醒 | 朝早く目が覚めてしまい、その後眠れない |
熟眠障害 | 睡眠時間は十分であるにもかかわらず、熟眠感がない |
不眠症の薬
超短時間型・・・ | 睡眠導入剤ともいわれ、寝つきの悪い入眠障害に用いられます。(ルネスタ、マイスリー、ハルシオンなど) |
短時間型・・・・ | 薬の作用が現れるまでの時間が比較的短く、作用時間も短いです。(レンドルミン、リスミーなど)入眠障害、熟眠障害がある場合に用いられます。 |
中時間型・・・・ | 持続時間が比較的長いのが特徴で、早朝覚醒などに用いられます。(ユーロジン、サイレースなど) |
長時間型・・・・ | うつ病などに伴い不眠が現れる場合に用いられることがあります。(ドラールなど) |
その他にもメラトニンの分泌を促進し睡眠を促すロゼレムというお薬もあり、作用がマイルドなので、比較的高齢の方にも使いやすいお薬です。また、脳の覚醒にかかわるオレキシン受容体をブロックするベルソムラというお薬もあります。持ち越し効果が少なく安全性が高いです。
お薬の中には、次の日もぼーっとする持ち越し効果や、薬が効いている間に起こった出来事を覚えていない健忘などの副作用もありますので、医師や薬剤師の説明を良く聞き正しく飲むようにしてください。