【宮城県岩沼市】24時間救急診療を提供できる救急指定病院。土曜診療も受付可。
宮城県岩沼市 社会法人将道会 総合南東北病院-救急指定病院-

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広報誌「みな・みな・ねっと」

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うちのおばあちゃん、認知症なんじゃない?

脳神経内科 光澤 志緒

 厚生労働省の推計では、65歳以上の高齢者の4人に1人が認知症または軽度認知症と言われており、2025年には認知症の方が700万人まで増加すると見込まれています。「うちのおばあちゃん、認知症なんじゃない?」と疑われて、家族とともに外来に来られる方は、やっぱり認知症だった、ということが多いようです。

 認知症の内訳として、最も多いのは、アルツハイマー型認知症です。次に多いのが脳血管性認知症と言われています。アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症を合わせて、認知症の9割弱を占めています。

 アルツハイマー型認知症は脳内にアミロイドβ蛋白やタウ蛋白といった蛋白が異常に蓄積し、脳の神経細胞が変性、脱落することで、記憶や言語、空間を認識する能力などが低下していきます。徘徊や興奮、妄想などの行動の問題や精神・心理症状を伴うこともあり、対応に難渋する場合があります。残念ながら、根本的治療法はありません。コリンエステラーゼ阻害薬などの進行抑制の薬はありますが、ご家族が気づくほどの改善がみられることはほとんどありません。

 脳血管性認知症は、糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙などの動脈硬化のリスクや、心房細動といった不整脈をお持ちの方が、脳血管障害を起こすために、脳の神経細胞が脱落し、段階的に認知症を来します。上記のリスクに対する治療を行うことで、進行の抑制を行っていくことになります。

 動脈硬化のリスクは、アルツハイマー型認知症においても発症や進行のリスクといわれており、また、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症を合併する例もあります。医師による処方薬をきちんと内服する事以外にも、食事管理や運動、体重管理などを含めた動脈硬化リスクの管理を徹底することは、認知症の発症予防、進行抑制に有用なのだと考えます。

 そうは言っても、動脈硬化だけがリスクではなく、加齢自体が認知症のリスクであり、冒頭にあるように、高齢化に伴って、認知症患者の数、割合は増加すると考えられています。「うちのおばあちゃん、認知症なんじゃない?」と気が付いてくれる家族がいる方ばかりではなく、高齢夫婦2人暮らしのどちらかあるいは両方が認知症であるケースや、1人暮らしの認知症の方も、稀ではありません。自分の住み慣れた環境で認知症があっても過ごせることを目標に、ご本人やご家族をサポートするシステムが整備されており、医療系・介護系の専門職の方々の協力も得ることができます。私達、脳神経内科医も、サポートチームのメンバーとしてお役に立てるように日々、診療していきたいと思います。

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