南東北看護師コラム
手術を安全にうけていただくために
手術室看護副主任 周術期管理チーム認定看護師 梅原 妃香留
当院では主に脳神経外科・脊椎・外科・整形外科・形成外科の手術をしています。
手術をする時には麻酔が必要になりますが、麻酔方法には全身麻酔・脊椎麻酔・硬膜外麻酔・局所麻酔などがあります。私たち医療スタッフは、患者さんにどの手術・麻酔方法でも安全に手術をうけていただけるよう、事前に情報収集を行い入念な準備をしていきます。
事前の準備に関して、患者さんにもご協力いただく事が何点かあります。その中でも今回は化粧・マニキュア等について説明させていただきたいと思います。
【手術前に化粧・マニキュアは落とすこと】
●手術の時は患者さんの顔色を観察して、異常の早期発見に努めます。ファンデーションや口紅を付けていると異常時の変化に気づきにくくなります。
●手術時に必要なモニタリングの器械やテープを顔に直接貼る場合もあります。その場合、ファンデーションが妨げになり正確な数値を測定できなかったり、テープが付きづらく剥がれやすくなったりします。
●顔に直接テープを貼る場合、皮膚が弱い方はテープを剥がす時に皮膚の一部が一緒に剥がれることがあります。それを防ぐために被膜剤を使用し皮膚を保護します。ファンデーション・化粧水・乳液・リップクリームなどをつけていると被膜剤の効果を発揮できません。そのため当院では、色の付いていない化粧水・乳液等も手術前には落としていただいております。
●電気メスを使用する手術の場合、アイシャドー・マスカラ・ラメには金属が含まれているため、やけどの原因になります。
●全身麻酔での手術の場合、患者さんの目元全体にテープを貼って目が乾燥するのを防ぎます。このテープを剥がす際に、つけまつ毛やまつ毛エクステが一緒に取れてしまうことがあります。手術自体に影響はありませんが、こういった可能性があるので注意しておく必要があります。
●手術中は患者さんの呼吸状態観察のため、血液中の酸素を測る器械を指先に付けます。マニキュア・ペディキュア・ジェルネイル等を付けていると正確な数値が測定できません。
以上のことから手術をうける時には「化粧・マニキュア等はしない、または落とす」ようにお願いしています。
手術をうけるとなると不安な事、分からない事が沢山あると思います。不安なく、安全な手術をうけるために参考にしてみてください。