薬局だより
保湿剤について
薬局 薬剤師 武田 真由美
保湿剤の種類
塗り薬は基剤・有効成分・添加物が組み合わさっています。
基剤(ベースの部分)の違い
・軟膏…保湿力が高く皮膚を保護します。刺激が少なく、傷があるところやひび割れにも使用できます。べたつきやすいのがデメリットです。
・クリーム…軟膏よりもべたつきが少なく、伸ばしやすいため皮膚へ浸透しやすいです。軟膏に比べると刺激があるため、水疱・びらん(皮膚や粘膜の表皮が欠損しただれている状態)などには適しません。
・ローション…さらっとした塗り心地です。頭皮にも使いやすいです。アルコールが含まれており、刺激があるため傷があるところには適しません。
他には泡状やスプレータイプのものも登場しており、それらは広範囲に伸ばしやすいという利点があります。
有効成分の違い
・ビタミン…例えばしもやけの治療に使う塗り薬にはビタミンE製剤が配合されています。血行をよくして症状を改善します。角化した肌に使用する塗り薬では、ビタミンAが配合されている製剤もあります。
・尿素…角質をやわらかくします。
・ヘパリン類似物質…刺激が少なく、お顔にも使用できます。
使用量の目安
軟膏・クリームは人差し指の先端から1つ目の関節まで、ローションは1円玉大で手のひら2枚分の面積に塗れます。
保湿剤を塗ったあと、ティッシュ1枚が皮膚にくっついて落ちないくらいが目安とも言われます。少なすぎても多すぎても十分に効果を発揮しません。