【宮城県岩沼市】24時間救急診療を提供できる救急指定病院。土曜診療も受付可。
宮城県岩沼市 社会法人将道会 総合南東北病院-救急指定病院-

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広報誌「みな・みな・ねっと」

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『運動』足りてますか?

放射線科科長 鈴木 考

 現代における主要な病気として『生活習慣病』が挙げられます。生活習慣病とは『食事、運動、休養(睡眠)、喫煙や飲酒などの生活習慣が、その発症や進行に関係する病気全般』を指します。糖尿病、高血圧、脂質異常症、心臓病、脳卒中などが一般的に知られており、喫煙などの生活習慣が深く関係する肺癌などの癌も含まれます。生活習慣病がなぜ生じるようになったのか、また、どうすれば予防できるのか、人間の歴史を振り返って考えてみましょう。

 人間の本来の姿は原始時代の狩猟採集の生活です。人々は1日数時間、移動しながら木の実を食べたり動物を獲ったりして暮らしていた、と考えられています。時にはマンモスやサーベルタイガーと闘うこともあり、その際にはアドレナリンの分泌や心拍の上昇などが引き起こされたことでしょう。人間は『長期間続いたこの様な狩猟採集の生活環境に適応した進化を遂げてきた。』と考えられます。ある時、メソポタミアやエジプトで小麦の栽培が始まりました。人々は農業のために定住し、農作業に従事するようになります。徐々に仕事が細分化、専門化し、文明が発達していきます。やがてヨーロッパで産業革命と言われる社会変化が起こり、それが世界に拡がりました。現代人はこのような過程を経て発達した科学・技術の恩恵を受け、日々の食糧に困らず便利な生活を享受するようになりました。一方で、長時間労働、睡眠不足、運動量の減少、糖質等の過剰摂取など、本来(原始時代)の姿と全く異なる生活を送るようにもなりました。

 ところが、人間の身体(遺伝子)は短期間では変化(進化)することが出来ません。現代人の身体は原始時代からほとんど変わっていないのです。進化学的な視点からは、『生活習慣病は身体が現代の不自然な生活に適応しきれないために生じるようになった。』と言えるでしょう。生活習慣病の予防についても、原始時代の生活がとても参考になります。食事の内容や休養の仕方を真似ることはもちろん重要ですが、最も効果的なのは『運動すること』だと思います。猛獣と闘ったり走って逃げるような行動、すなわち運動、が様々な生体反応を引き起こし、それらが脳を含め身体に良い影響を及ぼすようなのです。近年、多くの研究により、運動が生活習慣病を予防することが分かってきました。生活習慣とは一見関係ないように思われるうつ病などの精神疾患やアルツハイマー型認知症など脳の病気に関しても、運動が発症リスクを減少させるなどの作用のあることが分かってきています。

 以上に述べたことと忙しい現代生活を鑑みますと、『運動、それもある程度心拍が上がる運動(1日30分から1時間程度)を習慣づけることが、生活習慣病の予防をはじめ、現代人がより良い生活を送るための秘訣である。』と言えるのではないでしょうか。運動習慣のない方はウォーキングなど軽めのものからでよいので、是非、運動を試してみて下さい。

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