南東北看護師コラム
骨粗鬆症とはどんな病気?
骨粗鬆症マネージャー 藤井 純
1.骨粗鬆症とはどんな病気ですか?
骨は一度できあがってしまうと、その後変わらないもののように思われがちですが、実は古くなり劣化した骨は、メンテナンスされて新しい骨へと生まれ変わっていきます。これを骨の新陳代謝(骨のリモデリング)といいます。健康な骨では、骨吸収(骨を壊す働き)と骨形成(骨をつくる働き)のバランスがつり合っています。しかし、骨粗鬆症では骨吸収がどんどん進んで骨形成を上回り、骨量が減少して骨強度が低く、もろい状態となってしまいます。そのため骨折しやすくなる、全身性の骨格の病気です。
2.どれくらいの患者さんがいますか?
日本には約1300万人の患者さんがいると言われています。高齢の女性に多くみられる病気で、50代から増えはじめ、70歳以上では約半数がこの病気になるといわれています。
3.どのような特徴、症状があるのでしょうか?
骨粗鬆症の特徴的な症状としては、
①背中が丸くなる ②背が縮む ③背中や腰が痛くなる ④骨折しやすくなる
と一般的に言われています。症状が現れにくく、いつの間にか進行しています。「いつのまにか骨折」とCMで言っているのがまさにこれです。気が付かずに骨折をして、検査をしてわかるケースが多くなります。実際に治療を行っている人は全体患者数の1/4程度の、約300万人と言われています。
4.どのような検査を行うのでしょうか?
骨粗鬆症は、骨折を起こす前に正しい検査を行って、事前に予防することが非常に重要です。まず、骨密度検査を行う必要があります。その後、血液検査を行い骨の代謝を調べます。当院では背骨、大腿骨での骨密度検査が可能です。骨密度検査は他にも踵(かかと)や橈骨(とうこつ)(前腕にある親指側の骨)でも可能ですが、最も精度が高く推奨されているのが大腿骨の骨密度検査になります。検査結果から骨粗鬆症かどうかの診断ができます。
5.骨粗鬆症の治療はどのようなものがありますか?
『運動療法』『食事療法』『薬物療法』の3本柱で治療を行っています。その中でも薬物による治療介入が推奨されています。治療薬には内服、注射など様々なものがありますが、当院では治療効果の高い注射剤での治療を積極的に行っています。骨粗鬆症のことで心配な際には当院整形外科外来へご相談ください。
令和2年12月現在、当院整形外科は新患受付が10:00まで(月~土)となっておりますが、急な休診や受付終了時間が早まる場合がございます。来院前にお電話にて当日の受付時間を確認頂くようお願い致します。