膝痛!!変形性膝関節症
整形外科医長 蓬田 翔太
膝の痛みで困っておりませんか?高齢社会を迎え日常生活では、より高い生活の質(QOL)を維持することが今日求められています。長寿国であるわが国では自立歩行が人生の終焉まで可能であればより良い生活と満足が得られるものと思われます。国内の変形性膝関節症患者数は自覚症状を有する患者で約1000万人、エックス線撮影で診断される潜在的な患者で約3000万人と推定されます。こんなにいるの?と思いませんか。
変形性膝関節症に対しては、治療法は大きく2つあります。保存療法と手術療法です。保存療法では関節内にヒアルロン酸ナトリウムを注射し、消炎鎮痛剤で痛みを抑える治療が主体になります。手術療法は、骨切り術と人工膝関節置換術の2つに大別されます。当院では人工膝関節置換術を主体に治療しております。昔の人工膝関節の機材と違い、現在では約30年の耐久性があると言われております。治療の流れとしてまず、ヒアルロン酸ナトリウムを膝関節内に注射し除痛と変形の予防、それでも疼痛が続く場合には人工膝関節置換術という治療になるかと思います。もし、人工膝関節置換術をやるのであれば、入院期間は2週から3週間ほどとなります。ただ、手術前に正座ができなかった人が手術をしたからと言って正座ができるとは限りません。夢のような手術ではございませんが、変形性膝関節症で困っている方のより良い生活の助けとなれれば嬉しい限りです。
また、当院に膝の痛みで受診される方の中には、重度の変形があるのに痛みを我慢して今まで過ごしてきた方がおられます。まず膝の痛みを自覚したら整形外科を受診し変形性膝関節症由来の痛みかをチェックしてもらうことをお勧めします。