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宮城県岩沼市 社会法人将道会 総合南東北病院-救急指定病院-

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広報誌「みな・みな・ねっと」

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脳神経内科の病気について~神経変性疾患~

脳神経内科科長 加藤 昌昭

 脳神経内科の扱う病気の中で「神経変性疾患」といわれる病気があります。アルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった病気がこの範疇に入ります。難しい名前の病気が多いので、あまり自分に関係ない病気、珍しい病気と思われがちですが、高齢化に伴いアルツハイマー病やパーキンソン病は珍しくない病気になってきていますし、ALSのように意識ははっきりしていながら体が動かなくなる難病もあり、実は身近な病気になってきていると思います。

 しかしながら現在のところ、神経変性疾患に対する治療はまだまだ不充分です。病気の治癒はもちろんのこと、進行を抑える治療すらまだ確立していないというのが現状です。現在ある治療薬は、症状に対する対症療法、進行を少し遅らせるといった程度で、依然道険しといったところです。神経変性疾患というのは神経が半分くらいまで障害されて初めて症状を出すともいわれており、早期発見、診断が難しいこと、更に、神経組織は再生する能力が低い組織であり、そのことも治療が難しい理由です。

 神経変性疾患は実はかなり昔からある病気で、パーキンソン病は1817年(ALSは1869年、アルツハイマー病が1906年。ちなみにX線発見で1901年第1回ノーベル賞受賞)に報告されています。しかし、病気の原因がわかってきたのは比較的最近で、それまでは「原因不明の難病」という扱いでした。昔からわかっていたこととしては、症状が年余にわたって徐々に進行していくこと、その原因として脳や脊髄の神経細胞がだんだんと死んで減っていることくらいでした。脳や脊髄は直接取ってみることが難しく、癌などのように異常な物が出現してくるわけでもないので、レントゲン(CT,MRI)などの画像で見つけられないこともあって診断が難しく原因不明といわれてきたのです。しかし、近年遺伝子の研究や病理学、生化学的な研究の発達により、神経細胞が死んでいく原因がわかってきました。細胞内に異常な蛋白質がたまっていくことが神経変性疾患に共通する問題であり、神経細胞が死んでいく原因であろうということです。たまっている蛋白質の種類は病気によって異なり、それによって病気が異なっているようです。更に異常な蛋白質がたまる原因についてもさまざまな原因が解明されつつあります。

 そうした中で、アルツハイマー病の新規治療薬としてアミロイドβ蛋白という異常蛋白質を標的とした薬剤がアメリカで現在承認申請をしており、もしかすると近日中に日本でも使えるようになるかもしれません。パーキンソン病や類縁疾患、ALS等においてもさまざまな治験が行われています。すぐに特効薬ができるということはないでしょうが、これまで治療法のなかった神経変性疾患が10年、20年後には治療できる病気に変わっていくかもしれません。

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