ワンポイントリハビリ
高齢者の食事 からだの変化
言語療法室 言語聴覚士 大宮 慎也
加齢による機能低下は、個人差はありますが誰にでも起こることです。これにより、食事がうまくできないなど、食生活にも影響がでます。加齢によるからだの変化を理解し、より安全な食事ができるようにしましょう。
〇かむ力・飲み込む力
歯を失うことなどで、かむ力が弱くなります。のどの筋力が落ち、飲み込む力が弱くなることで、むせたり、つかえたりしやすくなります。
〇唾液の量
唾液の量が減り、食べ物が飲み込みにくくなります。口内の乾燥により、口の中が荒れてしみたり、口臭や虫歯の原因になります。
〇消化液の分泌、胃腸の働き
消化吸収能力が低下し、消化不良や下痢をしやすくなります。腸の働きが低下することにより便秘しがちになり、食欲不振や栄養不足につながります。
〇のどの乾き
のどの乾きを感じる機能が低下し、水分不足や脱水症状を起こしやすくなります。
〇味覚
味を感じる細胞の数が減り、特に甘味と塩味を感じにくくなるため、濃い味付けを好むようになります。
〇視覚、聴覚、嗅覚、触覚
様々な感覚が低下し、色合いや香りを感じにくくなり、食欲減退につながります。
からだの変化には個人差があります。からだの状態に合わせた食事内容、料理のかたさ、調理方法などを工夫し、美味しく楽しい食生活を送りましょう。
ユニバーサルデザインフード(UDF)=「みんなにやさしい食品」
日本介護食品協議会が制定した規格に適合した食品に【UDF】のマークが記載されています。
区分 | 容易にかめる | 歯ぐきでつぶせる | 舌でつぶせる | かまなくてよい | |
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かむ力の目安 | かたいものや 大きいものは やや食べづらい |
かたいものや 大きいものは 食べづらい |
細かくて 柔らかければ 食べられる |
固形物は 小さくても 食べづらい |
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飲み込む力の目安 | 普通に飲み込める | ものによっては 飲み込みづらい ことがある |
水やお茶が 飲み込みづらい ことがある |
水やお茶が 飲み込みづらい |
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かたさ の目安 |
ごはん | ごはん~ やわらかごはん |
やわらかごはん ~全がゆ |
全がゆ | ペーストがゆ |
魚 | 焼き魚 | 煮魚 | 魚のほぐし煮 (とろみあんかけ) |
白身魚のうらごし | |
卵 | 厚焼き卵 | だし巻き卵 | スクランブルエッグ | やわらかい茶碗蒸し (具なし) |