認定看護師コラム
認知症で起こる行動・心理症状とその対応③~幻覚~
認知症看護認定看護師 山田 愛実
今回は、『幻覚』についてお伝えします。『幻覚』というのは、現実には無いものが、見えたり(幻視)聞こえたり(幻聴)することを言います。『幻覚』は行動・心理症状として出現することもありますが、レビー小体型認知症では中核的症状として出現します。レビー小体型認知症では、小さな子供が(現実に)居る、虫が見えるなどの幻視が多く出現します。幻覚が出現した場合は、否定せず本人の発言をよく観察してください。幻覚に対し、本人が恐怖心や危険性を感じていなければさほど心配はありません。本人の話を傾聴しながら状況に応じて【話題を転換】してみてください。幻視が見えていたことを忘れられる場合もあります。また、【視線を転じる】、【(暗い所では)電気を付ける】という行為によって見えなくなることもあります。一方で、『幻覚』に対し焦って興奮しながら行動しようとしたり(焦燥性興奮)、恐怖を感じたり、自分の身に危険が及ぶと認識している場合は注意が必要です。そのような時は、まず身体的な不調が無いか、普段と変わっている所はないか観察しましょう。認知症の方は、自らの身体的不調を適切に言葉で表現出来ない場合があります。そのため、身体的不調があることで『幻覚』が出現する場合があるということを理解しておきましょう。身体的要因が見当たらない場合は専門医を受診し必要に応じて治療を行いましょう。
岩沼市認知症初期集中支援チームのご案内
40歳以上の岩沼市在住の方で、認知症の症状でどうしたら良いか分からずに困っている方とそのご家族様を対象に、認知症初期集中支援チームが自宅訪問を含む支援を行っています。病院の受診が出来ない方や行動・心理症状への対応に困っている方など、お気軽にご相談ください。人で抱え込まず、支援を活用しましょう。
【お問い合わせ先】 社会医療法人 将道会 総合南東北病院
医療福祉相談室 0223-23-3746(直通)[受付:月~土曜日 8:30~17:00]