ワンポイントリハビリ
生活習慣病予防について ~生活習慣病を予防するための運動の薦め~
リハビリテーション科 理学療法士 髙橋 佑昌
前回は生活習慣病の治療についてお話ししました。今回は生活習慣病の予防を目的とした運動療法について紹介します。生活習慣病の運動療法で特に有効とされているのが、有酸素運動です。また、ストレッチングや筋力トレーニング等を組み合わせることが望ましいとされています。
●有酸素運動について
有酸素運動とは、酸素を使い体内の糖質・脂質をエネルギー源とする、筋肉への負荷が比較的軽い運動のことを指します。筋肉を動かすエネルギーとして血糖や脂肪が酸素と一緒に使われます。代表的な有酸素運動はウォーキングやジョギング、サイクリングなどです。
●運動時間
運動のエネルギー源として、運動開始10分後以降では血糖、15分後以降では脂肪も利用するため、1回の運動継続時間は20分以上が必要です。30~60分が推奨されています。また、運動を実施するタイミングは、生活の中で実施可能な時間であればいつ行っても構いませんが、特に食後1時間後に行うと食後の高血糖状態が抑制されると考えられています。
●運動強度
「楽である」又は「ややきつい」と感じる程度の強さの身体活動が適切です。「きつい」と感じるような身体活動は避けましょう。
●運動の頻度
運動はできれば毎日、少なくとも1週間のうち3日以上行う必要があります。
運動を急に実施するのは身体に与える負担が大きいため、最初は歩行時間を増やすなど身体活動量を増加させることから始めましょう。個人の好みにあった運動を取り入れるなど段階的に運動を加え、安全かつ運動の楽しさを実感できるように工夫していくことが運動を継続するために重要なポイントとなります。